2021.7.1
同性カップルと生命保険・住宅ローン
同性カップルは、法律上の配偶者や親族ではなく、また、社会のLGBT等に対する無理解から、パートナーを生命保険(終身保険・死亡保険)の受取人にすることや、住宅ローンで収入合算やペアローンを利用することが難しい状況が続いてきました。
しかし、近年では、LGBT等に対する理解が徐々に進み、また、海外における同性婚制度の拡大、日本国内における自治体の同性パートナーシップ制度の拡大もあって、状況は変化してきています。
まず、生命保険においては、同性カップルでもパートナーを受取人にすることができる保険会社が増えてきています。加入にあたっては、同居等の生活実態で判断する保険会社もあれば、同性パートナーシップ合意契約書や任意後見契約書の公正証書が必要な保険会社もあり、保険会社によって必要書類等が異なるので注意が必要です。
次に、住宅ローンについても、収入合算やペアローンを利用することができる金融機関が増えてきています。こちらについても必要書類等は金融機関により異なるのですが、事実上、同性パートナーシップ合意契約書と任意後見契約書の2つの公正証書を作成することが必要になることが多いです(例えば、渋谷区のパートナーシップ証明書で足りるとする金融機関もありますが、当該証明書を申請するためには、まず上記公正証書2つを作成しなければなりません)。
住宅ローンを一緒に組む、生命保険の受取人としてパートナーを指定する、という重要な決定をする段階にあるカップルであれば、法律上の夫婦と変わらない生活をされていることが多いと思いますので、万が一に備えて、遺言公正証書もあわせて作成しておくと安心です。住宅の所有関係にもよりますが、遺言がなかったために、残された同性パートナーが住宅から出ていかなくてはならなくなってしまったという例は少なくありません。
弊所は、生命保険や住宅ローンに関わる案件も経験しておりますので、同性カップルのみなさまのお力になれるかと存じます。
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